平成21年11月6日(金)5校時〜7校時にわたって、各種分野で活躍されている社会人の方々を講師にお迎えして「勝高プロジェクト(仕事の達人)」と題する講座が1・2年生を対象に開かれました。
 講座は下記の表にある12講座。生徒はこの講座から自分の将来を見据えた2講座を選択し、前半・後半に分かれて受講しました。各講師の方々の工夫をこらした内容、巧みな話術、実演を交えた講義に生徒たちは引き込まれていました。
 日頃、接する機会の少ない各分野の社会人講師の方々から、直接色々なお話を聞くことにより、学校ではなかなか学ぶことができない現場の生のお話をうかがうことが出来ました。また、今後の進路を選択する上で何らかの指針とする事が出来たかと思います。

 また、講師の先生方にはお忙しい中本当に有難うございました。この場を借りまして、お礼申し上げます。

トップページへ戻る

講 師 職 種 講 師 (敬称略)

写真をクリックすると生徒の感想に飛びます

講 座 名 ( 内 容 )
医療ソーシャルワーカー  (財)津山滋風会 津山中央病院

  医療福祉相談員  古谷 智美
医療ソーシャルワーカーとは?
 社会福祉とは何か?という幅広いテーマについて、具体例や体験談をふまえながら、大変わかりやすく話してくださいました。
 現場での患者さんたちとの応対に関してのお話は、実際に経験されたことに基づいての実例説明だったので非常に為になるものでした。

大学教職員  島根大学 教育学部

  准教授  藤井 浩基
自分の感性を信じて−私の音楽教育・研究活動−
 ”大学教員”−自由で気楽な仕事のように思われがちですが、”研究の成果”が全ての職業です。24時間営業といっても過言ではありません。
 この道に入ったのはたわいもない「きっかけ」から。それに出会った時の新鮮な気持ちは今もまったく変わっていません。

 「自分の感性」を信じることについて、進路を考える時期の高校生に熱く語ってくださいました。

研究者  山田養蜂場

  研究員  雪吉 晃子
農学部を卒業したら何ができる?

 まず、テーマの最初として「農学部」でどんな事を習い、どういう風な実習があるか、そして就職する業種はどうなのか。など御自身の大学生活を例にお話いただきました。

 そして、現在の職場へ入ってからの貴重なお話を聞くことが出来ました。特に研究開発部門に在籍ということで、「学術情報の収集」「有効成分の分析」「薬効評価」「分析技術の開発」「製品の開発」「研究情報の発信」など、専門分野にかなり深く入ったお話でした。そして、その研究開発が5年、10年後の製品への種となるとの事でした。
 また、研究段階でうまくいかなかった結果をどう生かすかを考えて成功につなげる事が大事だと、研究者としての心構えも伺うことが出来ました。

 最後に、高校生の間にどういう風な勉強をしていると後々役立つかをご自分の事を振り返りながらお話していただきました。

大学教職員  新見公立短期大学

  准教授  杉本 幸枝
看護職への道
 まず、医療に関係する様々な職種を紹介していただきました。そして、看護職に進むための道筋として、四年制大学・短大・専門学校などで取得可能な資格についても教えていただきました。その他、助産師の少なさ、看護師の種類についてなど普段なかなか知ることの出来ない貴重な情報を得ることが出来ました。

 また、現在は看護師の活躍の場は非常に多く就職に困ることはない。しかし仕事は大変である。だが、魅力もやりがいも大変大きいものがある。と様々な方向からの解説が聞けました。
 最後に、新見公立大学の3年間の様子がまとめられたDVDを拝見し、大学生活の様子をうかがい知る事が出来ました。

教育行政(高校教諭)  岡山県総合教育センター 教育経営部

  指導主事  竹内 成長
カッコいい大人とは
 先生の仕事は非常に大変であるが、楽しみに満ち溢れた仕事である。
 みんなの可能性は無限にあふれている。あきらめずにがんばれば夢も見えてくる。
 だからこそ、その可能性を応援する先生という仕事は楽しくて仕方がない。

アナウンサー  グループトーキング・アイ

  アナウンサー   村松 美保
わたしが喋るまで
 フリーアナウンサーとして大活躍の村松美保さん。勝高の誇るOGです。まずは高校時代から現在に至るまでの道のりをお話くださいました。

 後半にはトークのテクニックをワークショップ形式で教えてくださいました。「必要なことは、必要なときに、必要なだけやってくる」前向きに生きていこうという元気をいただきました。

検察官  岡山地方検察庁

  検事 関根 將弘
  検察事務官  池田和宏 ・ 柴田圭介

検察庁の仕事
 関根検事、池田・柴田検察事務官の3名の講師の先生が来られました。まず関根先生が検事の仕事についてお話しくださいました。事務官の方とペアで仕事をされていて、ほとんど一緒に居られるそうです。ただ、ドラマのように1つの事件に多くの時間を割いているわけではなく、同時に複数の事件を抱えられているそうです。2年位で転勤があり、北海道から沖縄まで日本中を回られるという事です。
 続いて池田先生が検察事務官の仕事についてお話いただきました。ちなみに、池田先生は本校のOBでいらっしゃいます。事務官は捜査部門・総務部門・検務部門と分かれていて、数年で担当が変わられるそうです。県の職員として採用されているので検事のように遠くへの異動は無いということでした。

 最後に、今年から開始された裁判員制度について色々説明してくださいました。

地方公務員  真庭市役所 産業観光部 バイオマス政策課

  上級主事  森田 学
真庭の魅力を伝える仕事〜賑わいと安らぎの杜の都を目指して〜
 真庭市役所に入った経緯、市役所の業務内容、バイオマス政策課の仕事を説明してくださいました。
 新エネルギーとしてのバイオマス、産業振興政策として、地域の企業と密接に結びついた仕事の一端を紹介していただきましたが、真庭を誇りの持てる地域にするために、働いている様子が良くわかり、公務員志望の生徒に良い刺激になりました。

会社経営者  有限会社 エコライフ商友

  代表取締役  河野 慶治
環境リサイクル事業への取組について
 創業は昭和52年から。当初はし尿の処理を中心に行っていたが、環境リサイクルへの進出を始めた。
 現在は真庭市湯原での植物性油でのディーゼルエンジン車の使用を中心に様々な環境リサイクルに取り組んでいる。このことで地域へも貢献でき、会社のイメージアップにもつながり、社員が仕事への誇りを持つようになった。
 この様な活動に於いて、様々な人とのコミュニケーションや、目標を持つこと、考えることによってアイデアを引き出すことなどが大切であり、高校生の皆さんにも参考にして欲しい。

環境カウンセラー  アセス株式会社

  代表取締役   藤本 晴男
環境で未来をつかめ
 社会人になるにあたって、必要なことを親切丁寧に話していただきました。以下に箇条書きで掲載いたします。
  1.県北にいても頑張れば、なんとか(有名に)なる。
  2.成功のヒントは(どこにでも)必ずある。
  3.ターゲット(進路)はより早く決めたほうが良い。
  4.世の中”たなぼた”は無い。
  5.継続力は力なり。

 また、環境カウンセラーとして環境についても、興味深く話していただきました。一人ひとりの地球温暖化対策として資料を用意され、家庭で出来る取り組みを話されました。その取り組みで、年間4万円程度節約できるようです。早速家に帰って話をしようという生徒もいました。

研究者  岡山光量子科学研究所

  研究員  阪口 真 ・ 岩城 貴史
研究者とは何か?〜理論物理学の研究から見えるもの〜
 まず、研究の目的として「知識を生み出す。」「 解けない問題を解く。」「方法論の確立されていないところで方法論を作り上げる(いきなり正解を得ることはできない)。」というお話をされました。
 内容的には、生徒たちにはなかなか難しかったようですが、研究者とは何か?というお話では「興味のあることを一所懸命やる(研究の基本)」「 「なぜ」を大切にする(研究の出発点)」「無知を知る(学びながら研究すること)」「人の話、書物を鵜呑みにしない(研究の基本的スタンス)」などの基礎となる考え方は興味を示していたようでした。

 また、研究を通じて、わからない事柄が解明できたとき、研究の意義、価値、達成感を感じることができる。研究にはどんな可能性が秘められているか解らない。したがって、実利面よりはむしろ学問としての意義を重要視している。と研究者らしいご意見も伺えました。

大学教職員  山陽学園大学 総合人間学部

  准教授  清水 律子
語学を活かす仕事
 大学の英語教員である先生の立場として、「英語力はあってあたりまえ。」「仕事力[(表現力・説明力・指導力・研究する力・論文を書く力・コミュニケーションをとる力(特に国籍、年齢の異なる人とでも)]」が必要であるということでした。
 そして、現在の大学教員に至るまでに、まず『興味』を持ち、『行動』して『やりたいこと』をする。そして『新たな興味』をもち『本当にやりたいこと』を見つけたという事でした。また『興味』は働きかけなければ育たない、『行動』することでやりたいことが生まれる。と、常に行動することが重要であると仰っていました。
 また、人生として「選んだことが正しかったか、正しくなかったか」という風に考えるのではなく、「正しかったといえる努力が大切」と大変深いお話でした。

 そして、「英語を活かす仕事」に対して、「一生学び続ける覚悟が必要」と締めくくられました。

 

生徒の感想(抜粋) 

医療ソーシャルワーカー(古谷先生)
 医療ソーシャルワーカーの方は、病院で直接患者さんやその家族の方々に接することが分かって、とても大変な仕事なんだと思いました。患者さんから苦情の電話がかかってきたこともあるとうかがって、精神的にもとてもきつい仕事だと思いました。一人ひとりの患者さんを大切にしなければならず、病院と患者さんの間に入って橋渡しをする、とても重要な仕事なんだと思いました。
 自己決定を尊重して、生活の視点で者を考え、患者さんと一緒に考えることが大切だと学びました。
 私も、相手のことを考えて相手に喜んでもらえるような仕事に就きたいと思った。

TOPへ

大学教職員(藤井先生)
 先生は、「自分の感性を信じて」とおっしゃっていました。私は今、色々迷っている事があっていっぱいいっぱいですけど、自分の好きな事とか、やりたい事を見失わないようにしようと思いました。
 卒業すると資格がとれるのは初めて知った。何かわからないけど感激してその力でいろんなことに熱中したり、研究したり出来るのはすごいと思った。早くそんな経験をしてみたいと思った。人生が変わるような経験をして、自分が本当にやりたい仕事や夢中になれる事を見つけたいと思った。

TOPへ

研究者(雪吉先生)
 自分が一番おもしろくてタメになったお話は、雪吉先生の高校時代のお話で、高校時代の大変だった事、これをしておけばよかった、など自分も「へえー」と思った事もたくさんあってとてもタメになったと思います。これからも色々な視野をもって様々なことに興味をもっていきたいと思いました。
 農学部について色々聞くことができて、農学部を出たからといって農業系の道に進むだけではなく、教師になったりと色々な職に就くことが出来るということがわかった。この講座を聴いて、どの職業に就くとしても一つの分野にとらわれず、すべての分野の勉強を頑張らないといけないことがわかったし、大学のことなど色々と調べてから選ぶことが必要だとわかった。

TOPへ

大学教職員(杉本先生)
 看護のことについては調べていたけど、実際に看護にたずさわっている方の話を聴くと、自分で調べた事よりももっと詳しい説明が聞けて、すごくためになった。看護師を目指している人たちの実習風景とか授業とか、すごく真剣だったし楽しそうだった。私も看護の事などを勉強して、そういう職に就きたいと思った。いい仕事だと思った。

TOPへ

教育行政(竹内先生)
 高校の先生がいつもどのような仕事をしているかなどの話では、高校の先生の仕事は思っていた以上に大変な事が有って、でも、全てをやり遂げた後はとても達成感のある仕事なんだと思った。最近、何に一所懸命になるでもなくダラダラとした生活を送っていたけど、先生の話を聴いて熱く生きなきゃいけないと改めて思った。

TOPへ

アナウンサー(村松先生)
 とても楽しかったです。私はアナウンサーに少し興味があったのでとても参考になりました!!ビックリしたのがフリーアナウンサーの仕事の種類の多さです。ラジオのパーソナリティやスタジアムのDJなども仕事のうちの一つだと分かり、ニュースキャスターだけではなく様々なことが出来るんだなぁとおもいました。
 アナウンスの練習をみんなでやって、アナウンスは聞いてくれる人に気を遣って読むことも大切なんだなぁと思いました。あと、先生が何種類もの言い方で、文章を読んで下さったとき、一人の声がこんなにも印象の違った多くの人の声に聞こえるなんて、本当にすごいなぁと思いました。
 「必要なことは、必要なときに、必要なだけやってくる」という言葉が印象に強く残っている。辛い事があっても、その後に良い事があると思うと生きていくことも楽しくなる。ずっと良い事が無いと思っていても、その後に楽しいことがあると思って、過ごしていこうと思った。自分の事を大切に思ってくれている人がいると、とても心強くなれるので、たくさんの人を大切にしていこうと思った。

TOPへ

検察官( 関根先生・池田先生・柴田先生 )
 今まで、検察庁についてあまり知らず、ニュースなどの捜査する様子の映像で見かけるくらいだったけど、今回の講演を通じて主な業務内容や検察庁の仕組みについて知ることが出来た。
 今年から始まった、裁判員制度に裁判官として関わるかもしれないので検察の役割について学べてよかった。
 検察の仕事は検事と検察事務官の二つの仕事がある事がわかりました。人を相手にする仕事なので、人間性が大切だと思いました。難しいことだけど、それがやりがいということがわかりました。

TOPへ

地方公務員系(森田先生)
 とても真庭を愛されている地元想いの人だと思いました。最近の若い人たちではあまり地元を愛しているという人は少ないと思うし、実際私も「真庭が好き」というわけではないので、良いお手本になったかと思います。
 市役所には色々な部署があり、その一つがバイオマス政策課なんだと知った。地方公務員にはどんな勉強をしていてもなれるんだなと思った。でも、その勉強をしたことが生かされてくるから、どんな事もよく勉強しておくことが大切だと思った。

TOPへ

会社経営者(河野先生)
 正直、最初は環境という題だったので、あまり興味が無かったけど、河野先生の話を聴けてよかったと思う。河野先生は家業を継いでから社名を変えて、新企業にも取り組んで今年また新しいことを始めたと言っていて、本当にすごい人だと思った。目標を持つことが本当に大切なことだと思ったし、多くの人たちとコミュニケーションをとる事も大切なことだと思った。

TOPへ

環境カウンセラー(藤本先生)
 今まで小・中学校で環境のことをたくさん勉強してきたけど、今回藤本さんのお話を聴いて、自分に出来る小さな事からやっていこうと思いました。
 藤本さんは色々な資格を持っているけど、その資格は藤本さんが頑張ってきた努力の結果なんだろうなと思った。
 人間努力しても必ずしも成功するものではない、しかし成功するものは必ず努力をしている。これは分かっていても、お話を聴いてあらためてそうなんだと思いました。人間失敗して成長していくものだということです。社会に出ると様々な選択を迫られ、成功も失敗もある、その中で選択する力や苦難に負けないタフさを身に付けていくことが大切だそうです。自分自身を大切にして、失敗してもめげず、そこで立ち止まって人生を投げてしまわないようにしたいです。

TOPへ

研究者(阪口先生・岩城先生)
 研究者になるために大切なことは、好奇心や「なぜ?」と疑問を持つことであるのがわかった。
 科学者の人たちは本当に研究が好きだとわかった。内容は文字式などが出て難しかったが、興味深く勉強になった。論文を書いたりして、科学者になるのは難しそうだった。研究はわからないことが多く解いた達成感がよいらしく、自分も味わってみたいと思った。

TOPへ

大学教職員(清水先生)
 すごく勉強になることばかりだった。やはり仕事は就くまでも就いてからも大変なんだなと思った。私は今まだ将来悩み中だけど、私も先生みたいに、「この仕事に就いてよかった」と思えるようにしたいなと思った。最後のほうに、日本語教師について聞いたけどすごく難しそうな仕事だと思った。でも、楽しそうでもあった。また一つ新しい職業について知ることが出来てよかった。
 自分で行動して、何も無いところから自分の人生を作り上げていく。自分のしてきたことは間違ってなかったと思えるようにする。という先生の決意と行動がすごいと思いました。自分も頑張って行動して、清水先生のように「今の自分がベスト」だと言えるような大人になりたいと思いました。

TOPへ

トップページへ戻る